面接マナー完全ガイド|入室から退室まで好印象を与える立ち振る舞い
「ノックは何回?」「椅子にはいつ座ればいい?」——面接では、受け答えの内容だけでなく、入室から退室までの立ち振る舞いが評価されています。
こんにちは、マナー講師のゆりこです。秘書検定1級を取得し、企業の採用担当者への研修も行ってまいりました。
面接官は、あなたが部屋に入る瞬間から観察しています。第一印象の55%は「見た目」で決まるとも言われます(メラビアンの法則)。正しいマナーを身につけておけば、自信を持って面接に臨めますし、好印象を与えることができます。
この記事では、面接前の準備から入室・面接中・退室のマナー、さらにはオンライン面接のポイントまで、一連の流れを完全ガイドいたします。
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面接前の準備|服装・持ち物・到着時間
服装のマナー
面接の服装は、清潔感と誠実さを伝える大切な要素です。業界や企業文化によって基準は異なりますが、基本を押さえておきましょう。
男性の服装
- スーツ:黒・紺・ダークグレーの無地が基本。新卒はリクルートスーツ
- シャツ:白の無地。アイロンをしっかりかける
- ネクタイ:青・紺・エンジなど落ち着いた色。派手な柄は避ける
- 靴:黒の革靴。磨いておく。つま先が尖りすぎないもの
- 靴下:黒か紺。くるぶし丈は避ける
- 鞄:A4サイズが入るビジネスバッグ。床に置いたとき自立するもの
- 髪型:額と耳が見える程度にすっきりと。整髪料は控えめに
女性の服装
- スーツ:黒・紺・グレーのテーラードスーツ。スカートでもパンツでもOK
- ブラウス・シャツ:白が基本。淡い色のブラウスも可
- 靴:黒のパンプス。ヒールは3〜5cm程度が理想
- ストッキング:肌色のナチュラルストッキング。予備を持参
- 鞄:A4サイズが入る黒・紺系のバッグ
- メイク:ナチュラルメイク。清潔感を重視
- 髪型:長い場合はまとめる。顔に髪がかからないように
- アクセサリー:シンプルなもの。華美なものは避ける
「服装自由」「私服でお越しください」と言われたら?
完全に自由というわけではありません。オフィスカジュアル(ジャケット着用)が無難です。ジーンズやスニーカーは避け、きちんとした印象を心がけましょう。アパレル・IT業界など、カジュアルな社風の場合は別ですが、迷ったらスーツが安全です。
持ち物チェックリスト
- 履歴書・職務経歴書(クリアファイルに入れて)
- 筆記用具(ボールペン・シャープペン)
- メモ帳・手帳
- 企業の資料・求人情報のコピー
- 携帯電話(マナーモードに設定)
- ハンカチ・ティッシュ
- 予備のストッキング(女性)
- 折りたたみ傘
- 身だしなみチェック用の鏡
- 会場の地図・連絡先
到着時間のマナー
面接会場には約束の時間の5〜10分前に到着するのが理想的です。
- 15分以上前:早すぎる。先方の準備が整っていない可能性。近くのカフェで時間を調整
- 5〜10分前:ベストなタイミング ★おすすめ★
- ギリギリ:焦りが表情に出てしまう。余裕がない印象に
- 遅刻:やむを得ない場合は、判明した時点で即座に電話連絡
建物に入る前にコートを脱ぎ、手に持っておきましょう。携帯電話はマナーモードではなく電源を切るのがベストです。
入室のマナー|第一印象を決める大切な瞬間
面接室への入室は、面接官との最初の接点です。ここでの立ち振る舞いが第一印象を大きく左右します。
入室の流れ(ステップバイステップ)
- ドアをノックする:3回、ゆっくりと等間隔でノック。2回はトイレ用とされるため避ける
- 「どうぞ」の声を待つ:返事がない場合はもう一度ノック。それでもない場合は「失礼いたします」と声をかけて開ける
- 「失礼いたします」と言って入室:ドアを開けて一歩入ったところで、面接官に向かって明るくはっきりと
- ドアを静かに閉める:ドアに体を向けて、両手で静かに閉める。後ろ手で閉めるのはNG
- ドアの前でお辞儀:面接官に向き直り、30度のお辞儀(敬礼)をする
- 椅子の横に立つ:椅子の左側(ドアに近い側)に立ち、背筋を伸ばして立つ
- 名前を名乗る:「○○と申します。本日はお忙しい中、面接のお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします」
- 「お掛けください」と言われてから着席:「失礼いたします」と言って、静かに腰掛ける
お辞儀の角度を覚えよう
- 会釈(15度):廊下ですれ違うとき
- 敬礼(30度):面接の入退室時 ★面接で最もよく使う★
- 最敬礼(45度):深い感謝やお詫びのとき
お辞儀は「言葉→お辞儀」の順番で。言いながらお辞儀をするのは「ながらお辞儀」と呼ばれ、印象が良くありません。
着席〜面接中のマナー|姿勢・目線・話し方
座り方のマナー
- 椅子に深く座りすぎない:背もたれに寄りかからず、やや浅めに座る
- 背筋を伸ばす:猫背はだらしない印象に
- 男性:足は肩幅に開き、手は軽く握って膝の上に置く
- 女性:膝をそろえ、手は重ねて膝の上に置く
- 鞄の置き場:椅子の横(利き手側)の床に置く。膝の上や隣の椅子には置かない
話し方のマナー
- 明るくハキハキと:第一声は特に元気よく
- 結論から話す:「結論→理由→具体例」のPREP法を意識
- 適度な声量:小さすぎると自信がなく見える。大きすぎると威圧的に
- 「えー」「あの」を減らす:言葉の間は沈黙で問題ない
- 面接官の目を見る:目を見るのが苦手な方は、眉間や鼻のあたりを見ると自然
- うなずきを入れる:面接官の話を聞くときは適度にうなずく
- 正しい敬語を使う:「御社」(口頭)と「貴社」(書面)を使い分ける
やりがちなNG行動
面接中に避けるべき行動
- 腕組み・足組み:威圧的・偉そうな印象に
- 髪を触る:緊張のサインと見られる。落ち着きがない印象
- 貧乏ゆすり:無意識でもマイナス評価に
- 時計をチラチラ見る:「早く終わりたい」と思われる
- 前職の悪口:どんな理由があっても避ける
- 椅子をガタガタさせる:落ち着きのない印象
- 面接官の名前を間違える:事前に確認しておく
書類の渡し方
履歴書や職務経歴書を求められた場合の渡し方です。
- クリアファイルから書類を取り出す
- 書類の向きを面接官が読める方向に整える
- 両手で丁寧に差し出す
- 「よろしくお願いいたします」と一言添える
退室のマナー|最後まで気を抜かない
面接の最後の印象も、合否に影響します。最後まで丁寧な立ち振る舞いを心がけましょう。
退室の流れ(ステップバイステップ)
- 面接終了の合図:面接官が「本日は以上です」などと言ったら、面接終了
- 座ったままお礼:「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました」
- 立ち上がる:椅子の横に立ち、改めて30度のお辞儀
- ドアに向かう:ゆっくり落ち着いた足取りで
- ドアの前で振り返る:面接官に向き直り、「失礼いたします」と言ってお辞儀
- ドアを静かに閉める:面接官に背を向けないように注意しながら閉める
面接は建物を出るまでが面接です
退室後も気を抜かないでください。エレベーターや廊下で社員とすれ違ったら会釈を。建物を出るまでコートは着ない、スマホは見ない。喫煙所での一服もNGです。近くのカフェで大声で面接の感想を話すのも控えましょう。
オンライン面接のマナー|Web面接ならではの注意点
近年はオンライン面接(Web面接)を実施する企業が増えています。対面とは異なるマナーが求められますので、しっかり準備しましょう。
環境の準備
- 通信環境:Wi-Fiが安定している場所で。可能なら有線LAN接続
- 背景:白い壁やシンプルな背景。生活感のあるものが映らないように
- 照明:顔が明るく映るように。逆光にならない位置で。デスクライトを活用
- カメラの高さ:目線の高さに合わせる。見下ろし・見上げにならないように
- 音声:イヤホン・ヘッドセット推奨。マイクのテストを事前に
- 通知オフ:PCやスマホの通知を全てオフに
- 同居人への配慮:面接中は静かにしてもらうよう事前にお願い
オンライン面接の服装
「上半身しか映らないから」と油断するのは禁物です。何かの拍子に立ち上がることもあります。全身きちんとした服装で臨みましょう。対面と同じスーツスタイルが基本です。
オンライン面接中のマナー
- カメラを見て話す:画面ではなくカメラを見ると、相手には目が合っているように見える
- リアクションは大きめに:画面越しでは表情が伝わりにくい。笑顔とうなずきをしっかりと
- 話すタイミングに注意:タイムラグがあるため、相手が話し終わってから少し間を置いて話す
- メモを見てもOK:ただし、読み上げにならないように。チラッと確認する程度に
- 5分前にはログイン:接続トラブルに備えて早めに入室
オンライン面接のよくある失敗
- 通信が途切れてパニック → 落ち着いて再接続。事前に緊急連絡先を控えておく
- バーチャル背景がちらつく → シンプルな実際の背景の方が好印象
- 目線が下を向いている → カメラ位置を調整。画面上部にカメラを
- 生活音が入る → ミュート機能を活用。話すときだけONに
面接マナーに関するよくある質問
Q1. 面接でノックは2回ではダメですか?
ビジネスマナーでは、ノックは3回が正式とされています。2回のノックは「トイレノック」とも呼ばれ、空室確認の意味合いがあります。国際的なプロトコールでは4回が正式ですが、日本のビジネスシーンでは3回が一般的です。
Q2. 面接官が複数いる場合、誰を見て話せばいいですか?
質問した面接官を中心に見ながら、時折他の面接官にも目線を配りましょう。全員に均等に視線を送る必要はありませんが、質問者だけをずっと見つめるのも不自然です。8割は質問者、2割は他の面接官という配分を意識すると良いでしょう。
Q3. 面接で「質問はありますか?」と聞かれたら?
「特にありません」は避けましょう。事前に2〜3個の質問を用意しておくのがおすすめです。仕事内容や職場の雰囲気、入社後のキャリアパスなど、前向きな質問が好印象です。ただし、初回の面接で給与や有給休暇の質問は避けた方が無難です。
Q4. 遅刻しそうな場合はどうすればいいですか?
遅刻が判明した時点で、すぐに電話で連絡しましょう(メールではなく電話が基本です)。到着予定時刻と遅刻の理由を簡潔に伝えます。到着後は「大変お待たせいたしました。申し訳ございません」と改めてお詫びを。交通機関の遅延の場合は、遅延証明書を取得しておくと安心です。
Q5. コートやマフラーはどこで脱げばいいですか?
コートやマフラーは建物に入る前に脱ぐのがマナーです。脱いだコートは裏返しにして腕にかけるか、きれいにたたんで持ちます。面接室では、鞄の上に置くか、椅子の背もたれにかけましょう(面接官に確認してから)。帰りも、建物を出てからコートを着ます。
まとめ|面接マナーは「準備」と「練習」で身につく
この記事のポイント
- 服装は清潔感が最優先。迷ったらスーツが安全
- 到着は5〜10分前がベスト。建物の前でコートを脱ぐ
- ノックは3回。「失礼いたします」と言ってから入室
- お辞儀は「言葉→お辞儀」の順番。30度の敬礼が基本
- 退室後も建物を出るまで気を抜かない
- オンライン面接は通信環境・背景・照明の準備が重要
面接のマナーは、知識として知っているだけでは不十分です。実際に体を動かして練習することで、当日も自然な動作ができるようになります。
鏡の前で入退室の練習をしたり、家族や友人に面接官役をお願いしたりして、事前に十分なシミュレーションをしておきましょう。
正しいマナーを身につけて、自信を持って面接に臨んでくださいね。皆さまの就職・転職活動が実り多きものとなることを、心からお祈りしております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
